大正3年に刷毛の専門メーカーとして誕生したマルテー大塚グループ。刷毛づくりで培った技術を武器に、ローラーや建築塗装、自動車補修塗装と事業の幅を広げ、塗装業界のリーディングカンパニーとして国内外で事業を展開しています。

そんなマルテー大塚が抱えていた課題は大きく2つ。 メイン商材である刷毛は学生にとって馴染みがなく、伝統的・保守的といったイメージが先行し、マルテー大塚のチャレンジングな社風や将来性が充分に伝わりきっていないこと。そして、ラグビーチームを持つためラグビー部出身の学生が多く活躍している反面、より多様な人材を採用する必要もあったこと。 これらの課題を解決する採用パンフレットのニリューアルのご依頼を受け、コンセプト設計に着手しました。

打ち立てたコンセプトは、「世界って、塗りしろだらけだ。」。

コンセプトの策定にあたって、まずターゲットとなる学生について分析。マルテー大塚に関連のある業界を志望する学生は、共通して「社会全体への影響力」「人の役に立つこと」を重視していることが判明しました。そこで、この2つを起点としたコンセプトを掲げることで、これまで以上に多様な学生にアプローチしていくことに。

実際、マルテー大塚は職人向けの刷毛づくりにとどまらず、建設業界や自動車業界、DIY領域など多様な「人の役に立つ」事業を展開し、「社会全体への影響力」を発揮している。しかし、“刷毛を作る会社”というイメージが先行してしまい、その魅力が伝わりきっていないのではないか。そんなことを考えながら事業内容を見ているうちに、あることに気がつきました。それは、全ての事業において、“塗る”を起点にして様々な業界に進出しているということ。刷毛づくりで“塗ること”を極めた先に、建設業界や自動車業界、DIY領域で塗装の価値を高めている。“塗ること”の可能性を追求し成長を続けていることこそが、マルテー大塚が打ち出すべき魅力ではないか。そうした過程を経て、このコンセプトが生まれたのです。

マルテー大塚の伝統も大切にしながら、より多様な学生にアプローチできるような、トレンドを取り入れたデザインや写真のトーンを採用しました。 表紙デザインは、「塗りしろ」を想起させる白基調のシンプルな用紙に、エンボス加工を加えることで上質な手触りに。事業紹介ページでは、世の中にある「塗りしろ」をイラストマップで見開きで見せることで、スケールの大きさを表現しました。